知っておきたい「買取保証付き仲介」とは

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不動産の売却は、不動産会社に買い手を探してもらう「仲介」が一般的です。しかし、必ず買い手が見つかるとは限りません。住み替えや資金繰りの都合から一刻も早く売却したい、現金化したい人にとっては、最適とはいえないでしょう。一方、今回紹介する「買取保証付き仲介」は、売却の期限を確定できるので、手持ちの不動産を確実に売却したいのなら抑えておきたい方法です。

確実な売却が可能な「買取保証付き仲介」

通常の仲介の方が一般的に知られているので、「買取保証付き仲介」はなじみがない人も多いと思います。まずは簡単に、買取保証付き仲介の仕組みを説明していきましょう。

 

【三段階の仕組みで売却】

買取保証付き仲介は、簡単にいうと、一定期間内に必ず不動産を現金化できる仕組みです。売却は大きく以下の三段階で進められます。

 

1. 売主の希望価格で不動産会社に仲介物件として販売してもらう

2. 決められた期間内に買主が見つかれば、通常の仲介取引として売却する

3. 期間内に買主が見つからなければ、不動産会社が物件を買い取る

 

1と2は通常の仲介と同じ方法ですが、3は大きく異なります。例え市場で買主が見つからなくても、不動産会社が物件を買い取ってくれる、という点に注目してみましょう。

 

【具体的な流れ】

買取保証付き仲介の依頼から売却までの具体的な流れは、以下のようになります。

 

1. 買取保証付き仲介を依頼する不動産会社から売却物件の査定を受ける

2. 買取保証の申込みと媒介契約(専任媒介契約もしくは専属専任媒介契約)を締結する

3. 不動産会社が売却活動を行う(通常は3カ月程度)

4. 期間内に買主が見つかれば、不動産会社に仲介手数料を支払い、不動産を売却する

5. 期間内に買主が見つからなければ、不動産会社に売却する

買取保証付き仲介のメリット・デメリット

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般的に、「仲介」は最も高く不動産を売却しやすい方法です。一方、「買取」は確実に不動産を現金化できるというメリットがあります。つまり買取保証付き仲介は、この二つを併せ持つ売却方法と言えるでしょう。ただし、買取保証付き仲介にもデメリットは存在します。そこで、メリットとデメリットを整理してみます。

 

【買取保証付き仲介のメリット】

・仲介との併用で、一定期間は市場価格で売れる可能性がある

・不動産会社が買取保証を行っているため、確実に現金化できる

・「少なくともこの時期までにこの価格で売れる」という最低ラインが決められているため、資金計画が立てやすい

・買取保証により不動産会社に売却した場合は、仲介手数料が不要

 

【買取保証付き仲介のデメリット】

・「買取」の場合は売却価格が6〜8割程度と、一般的な市場相場よりも安い

・利用できる不動産会社が限られている

・不動産会社が提示する条件に合致しなければ、利用できない

・取り決めた期間内に仲介で売れるかどうかは、ほぼ不動産会社任せである

 

このように、メリットとしては「計画の立てやすさ」「仲介手数料が不要」といった点が目を引きます。しかし、一方で「買取での売却価格の安さ」「利用条件の厳しさ」「不動産会社がどこまで真剣に仲介してくれるか不透明である」というデメリットも忘れてはいけません。

 

特に価格面は、ある程度の妥協が必要です。不動産会社は買い取った物件を市場価格で再販するため、どうしても2~4割程度を差し引いた買取価格設定になります。従って、売却価格にこだわりを持つ人は、通常の仲介の利用をおすすめします。

価格よりも「確実性」重視派におすすめ

買取保証付き仲介は、「買取」になった場合の売却価格の安さが大きなデメリットです。しかし、「住み替え」が理由で売却するなら、価格よりも「時間」や「安心」「計画性」を優先したいという人も多いでしょう。高値で売れる可能性を探りつつも、最終的には確実に現金化できるというのが買取保証付き仲介の強みです。不動産の売却に確実性を求めるならば、最適な売却方法かもしれません。ただし、市場価格での売却を試みるため、複数の不動産会社への査定依頼を忘れないようにしましょう。また、できるだけ実績が豊富で、販売力や資金力に優れた不動産会社を選ぶことも大切です。

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